「フォニックスって聞いたことありますか?」
6年ほど前に親子英語レッスンを始めたころは、参加してくれたお母さん方にこう聞くと、「なんですか、それ?」という反応がほとんどでした。
でも最近は、「なんとなく聞いたことがある」「小さいうちにやっておいた方がいいって聞く」…という声も増えてきました。
熱心なお母さん方からは、「フォニックスっていつから始めるべきなんですか?」なんて質問を受けることもあり、フォニックスの認知度はここ数年でかなり上がったように思います。
巷の英語教室でも「フォニックスを学びます」と謳っている教室がとても多いし、フォニックス教材も本当に様々…。
Youtubeで”フォニックス”と検索すると山のような動画がズラ~リと出てきます。
私自身も、年少さんからの幼児クラスでは、少しですがフォニックスを導入してきました。
でも・・・
日本人の英語習得の道すじを考えて作られたものなのか?
立ち止まって考える出来事が起こったのです!
それは、Rhymoe®との出会い。
英語力を身につける過程すべてにおいて、英語の本物のリズムを体に入れて、体で表現することがどれほど大事かを思い知らされたのです。
“英語・音楽・体の動きはすべてリズムで繋がっている”
という深~い理論のもとにあるRhymoe®メソッド。
※Rhymoe®についてはこちらのサイトをぜひ読んでみてください。
そして、その英語のリズムは、読み書き(=フォニックス)にもとても重要な役割を持っているという理論から生まれたのが、Rhymoe® Phonicsです。
この新しいフォニックスメソッドを、チカビディーでも導入するために、現在必死に(笑)トレーニング受講中!
全国の熱~い先生方と熱~い時間を過ごしております。
認知はされてきたけれど、誤解も多く、迷走してしまいそうな日本のフォニックス教育に一石を投じる、本当にワクワクするメソッドなのです。
よくあるフォニックスの誤解
誤解1.子どもが小さいうちからやっておくとよい
冒頭にも書きましたが、熱心な方ほど、早くやらせないと…と、子どもがまだ2歳3歳のうちからフォニックス教材を使ったり、Youtube動画を見せているという話を聞きます。
でも、よーーーく考えてください。
フォニックス=英語の文字と音の規則性、つまり簡単にいうと読み書きを学ぶことです。
英語圏の子どもたちが、生まれた頃から(もしくは生まれる前から)英語という言葉に囲まれて、自然に習得してきた話し言葉を、文字にしたらこうなるよ、と学ぶことなのです。
日本語で考えると分かりやすいのですが、2歳や3歳の子どもに、あいうえおを読ませたり書かせたりするでしょうか?
読み書きは、早くても4歳以降、通常であれば5、6歳頃から教えませんか?
フォニックスはあくまでも英語の読み書き。
「早くからやらなくてはならない」というのは大きな誤解です。
誤解2.フォニックスを学ぶと発音が良くなる
試しに、Youtubeの検索欄に、”フォニックス” と入れてみると、一番目に”フォニックス 発音” と出てきました。
それほど、「フォニックスを学ぶと発音が良くなる」というイメージが強いのです。
何を隠そう私自身も、ママの発音練習としてフォニックスを紹介していて、フォニックスと発音指導をごっちゃにしていた講師の一人です。汗
でもフォニックスはあくまでも、蓄積された英語の音(話したり聞いたりするもの)を、文字(読み書き)につなげていくための教授法。
発音指導とはまったく別物なのです。
フォニックスで、英語の音ひとつひとつを学んで言えるようになったとしても、コミュニケーションの場面で自分の言いたいことをしっかり伝えられる発音が身につくとは限りません。
なぜなら、“発音”というのは、”音を出す”ことだけではなく、伝えたいことに合わせて強弱をつけたり、緩急をつけたり、つまりその言語のリズムに乗せて発するということだから。
そして英語のリズムというのは、日本語のリズムとまっっっっったく異なるということを知らずに、音だけを学んでも、本当のコミュニケーションができる発音には繋がらないのです。
フォニックスの前に大事なこと
こうして、今日本で広く誤解されているフォニックス教育の実態ひとつを取っても、英語の音やリズムに馴染みのない日本の子どもたちがどうやって、どんな順序で英語を習得していくべきなのか、深く考えさせられます。
この図は、Rhymoe®が提唱している子どもの発達段階に合わせたプログラムです。
出典:Rhymoe® Phonics (https://rhymoephonics.com/about/)
リボンのような形の左側は、0~4歳を示しています。
Rhymoe®では、0~4歳をリズム期と呼んで、「様々なリズムや音に対して柔軟な体と心を親子で作る」ことを目標とし、それが子どもの英語力の土台になるとしています。
絵本を読んだり、手遊びをしたり、子どもを膝の上に乗せたり一緒に体を動かしたりしながら歌を歌ったり。
0~4歳は、そういったものがとーーーっても大事な時期。
これは私が親子英語クラスで大事にしていることと重なります。
(Rhymoe®に惹かれたのはこの部分が大きいのです!)
ただ、正直言うと、これまでは英語のリズムとか体の動きについて、そこまで深く考えたことはありませんでした。
一見あまり意味がなさそうなことに、ものすごく意味がある。
と、常々思っていましたが、上記の図は、なぜ意味があるのか?の理由を明確に示してくれています。
2歳や3歳の子が、アルファベットのaを見て、”ア”(本当はカタカナでは表せない音です)と言えたら「おー!すごい!」って思うかもしれない。
でもそれは音を発しているだけ。
0~4歳頃までに大切なのは、そういった目に見えるものではなくて、無意識に体に染み込ませるようなものの方がずっと大切なのです。
特に、英語圏の子どもたちのように、自然なかたちでの英語環境がない日本の子どもたちには、読み書きを教えるよりも先に、英語の音やリズムを感じ、それに合わせて体を動かすことを心地良いと思う感覚を養ってあげることが必要で、その感覚こそがフォニックスを学ぶための土台なのです。
Rhymoe® Phonicsのすごいところ
ズバリ!日本で生まれ、日本語環境で育ってきた子どもたちが、吸収しやすいように考え抜かれているというところ。
文字と音の関係性を教えるだけのフォニックス、ではなくて、その前段階に必要なことを踏まえて、すべてをつなげたものがRhymoe® Phonicsなのです。
出典:Rhymoe® Phonics (https://rhymoephonics.com/about/)
急に、aは”ア”と読むよ~ア!ア!ア!(カタカナでは書けない…)と入れ込むのではなくて。
その音が英語のリズムに乗って心地よく体に入るように、リズムや体の動きと連動して音を発する、という考え方が、これでもか!というほど徹底しているのです。
子どもたちがその心地よさを「なんか楽しい!」と感じるように計算されているのです。
そしてそれに加え、私が何よりも素敵だと思うのは、自我の発達段階を踏まえた教育であること。
ただの文字と音を教えるのではない。
ほぼ日本語オンリーの環境で育つ日本の子どもにとって、未知なる英語というものは大人が思う以上に、自我を脅かされる存在。
でも敵ではないよ、と体で教えてあげること、日本語にない新しいリズムに乗ることを心地よいと感じさせてあげることを、これほどまでに大事にし、考え抜かれたフォニックスメソッドは他にはないです!(断言)
新年度からチカビディーでも、
◆5歳からは、リズム・動き・音を文字に繋げて、英語を体に染み込ませ、じぶんの言葉にしていくこと。
を目指し、絶賛準備中♪
今はトレーニングで頭がパンッパンに詰まっていますが、何よりも生徒の皆さんに、この詰まりに詰まったものを還元できるのが、今から楽しみです。
みなさんもぜひお楽しみに!!
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